農事組合法人上望陀について

概要

上望陀は木更津市の中央部に位置し、小櫃川に接している一画です。
小櫃川は君津市、袖ケ浦市、木更津市と流れる川で、その周辺には平坦な水田が広がり、水稲が農業の重要な基幹作物となっています。

上望陀集落の農地もそのほとんどが水田であり、水稲の栽培が盛んに行なわれています。そのほかに水田を利用したトウモロコシやレタス、ターサイなどの野菜が栽培されています。

また、就業人口の3割は農業に従事する農村地帯であり、農家戸数は36戸、専業農家は2戸となっています。
「農事組合法人上望陀」の特徴として、機械の共同利用、作業受託、耕畜連携による土づくり、栽培方法の統一、全ほ場での「ちばエコ農産物」の認証、精米や米粉、米粉パンの製造販売など生産から販売までを集落ぐるみで行なっています。

歴史

「農事組合法人上望陀」の歴史は昭和62年までさかのぼります。昭和62年に集落全戸が参加の「上望陀営農組合」を設立し、転作の集団化や農業機械の共同利用、稲作の作業受託を推進してきました。

そうした活動の中から、平成4年に基盤整備事業を実施することがまとまり、今までにない1ha以上の大区画水田を設けるなど低コスト水田への改良を行ないました。

平成7年 農事組合法人上望陀の設立

そして、平成7年には大区画水田のさらなる有効活用を図るため、集落合意に基づき営農組合の下部組織として「農事組合法人上望陀」を設立しました。「農事組合法人上望陀」は「上望陀営農組合」から選出した代表農家5戸で構成されています。地区の農家は法人へ作業を委託し、米の販売代金で清算される仕組みとなっています。機械作業を法人に委託することで、余った労働力を野菜生産に向けることや、高齢化や兼業化が進む中で稲作を続けることを可能にしています。加えて、効率的な水田農業と食味を重視した米の乾燥調製のため、経営基盤確立農業構造改善事業および大規模複合経営営農推進モデル事業を活用し、大型高性能機械と太陽熱を利用した乾燥調製施設サンシャインライスセンターを導入し、担い手組織としての営農基盤を確立しました。

平成10年には水稲及び転作作物の安定収量を確保するため、レーザーレベラー、サブソイラー、溝掘機を導入しました。また、この年から新たな取り組みとしてトウモロコシ狩りや野菜収穫体験ツアーを行ない、観光農業による消費者と直接結びついた農業の展開を開始しました。

平成14年 耕畜連携の開始

平成14年に近隣の酪農家がつくる堆肥組合(袖ケ浦稲わら生産組合)と連携し、牛糞堆肥の散布による土づくりと稲わらの酪農家への供給を行なう耕畜連携を開始しました。

平成15年からは化学肥料と化学合成農薬が通常栽培の半分である「ちばエコ農産物」の栽培に取り組み、安心米の生産と肥料代の低減化による収益性の向上に取り組んでいます。

平成17年 有限会社丸上食糧の設立

平成17年に米の有利販売を目指し、集落内16戸で「有限会社丸上食糧」を設立し、米の独自販売を開始しました。これにより、消費者や実需者と直接結びついた生産から販売に至る一貫した経営を確立しました。上望陀のコメは「並みじゃねーこしひかり」のブランド名でスーパー小売店を中心に販売されています。

近年の取り組み

平成19年には「農地・水・環境保全向上対策」の先進的営農活動を行い、地区の全ほ場が統一された肥料・防除管理になっています。

近年は「ちばエコ農産物」に力を入れ、平成23年より水稲の全ほ場で「ちばエコ農産物」の認証を得た栽培を行なっています。同年には6次産業化による米の付加価値生産として、湿式製粉機を導入し、製粉と米粉による製パン事業を立ち上げ、生協などへの独自販売を開始しました。

緑白綬有功章受章

緑白綬有功章受章 賞状

平成24年11月21日に農事組合法人上望陀の代表理事である中川一男が、農事功労者として大日本農会から「緑白綬有功章」を「受章」しました。
「緑白綬有功章」とは国内の農業において大きな功績を残した農事功績者に与えられる「章」です。


今回の「受章」は、地域における水田農業の中心的な存在として、営農組合の設立や農事組合法人を立ち上げ、水稲生産・販売と米粉の加工を取り入れて地域農業の発展に寄与したことが認められたことによるものです。